A clever person solves a problem. A wise person avoids it.
利口者は問題を解決する。賢い者は問題を避ける。

It isn’t that they can’t see the solution.
彼らには解決策が見つけられないんじゃない。
It is that they can’t see the problem.
彼らには、そもそも問題が見えていないんだ。

Gilbert Keith Chesterton
ギルバート・キース・チェスタトン
A problem well stated is a problem half-solved.
問題を適切に定義できたら、すでに問題は半分解決したようなものだ。

Charles Kettering
チャールズ・ケタリング(1876年8月29日 – 1958年11月24日もしくは11月25日 アメリカ合衆国オハイオ州ラウドンビル生まれの、農民、教員、メカニック、エンジニア、科学者、発明家、社会哲学家)
We don’t see things as they are, we see them as we are.
私たちは物事をありのままに見ずに、自分の見たいように見ている。

Anaïs Nin
アナイス・ニン(1903年2月21日 – 1977年1月14日 フランス生まれの著作家。11歳の時から没する直前まで60年間以上にわたって書き継がれた日記を出版したことで著名である。また性愛小説家としても名高く、肉体的なことだけでなく、性の完全性と欠陥についても追求している。)
I suppose it is tempting, if the only tool you have is a hammer, to treat everything as if it were a nail.
手元にハンマーしかないと、あらゆるものを釘のように扱いたくなるというのも、無理からぬことでしょう。

Abraham Maslow ,Toward a Psychology of Being
アブラハム・マズロー

私たちは問題に直面すると、ついこう考えてしまいます。
「正解は何だろう?」
法律問題でも、仕事でも、経営でも、人生でも同じです。 「問題が起きたら原因を調べ、専門家に相談し、最善の解決策を見つけて実行する」――これは一見、とても合理的なアプローチに思えます。
しかし世の中には、「いくら事前に分析しても、やってみるまで正解が分からない問題」が確実に存在します。
それにもかかわらず、私たちは「すべての問題には客観的な正解が必ずある」という“正解神話”に囚われがちです。ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、PDCAサイクル、各種フレームワークや効率的なタスク管理術を駆使し、「正解を弾き出すシステム」の構築に躍起になってしまいます。
もちろん、それらの思考法や問題解決手法は、適切な領域で使えば極めて強力な道具です。しかし、そもそも「道具を使うべき場面(領域)」が間違っていたらどうでしょうか。
グリーン上でドライバーを振り回すゴルファーがいないように、あるいはハンターが獲物や狩場の環境に応じて銃器や罠を使い分けるように、私たちは「状況に応じた道具の使い分け」をしなければなりません。
「分析しさえすれば、必ず正解が見つかる」という思い込みは、あらゆる課題に同じ道具を無理やり当てはめる硬直性を生み、かえって事態を悪化させることすらあります。
この「問題の性質と向き合い方」を鮮やかに整理してくれるのが、「クネヴィン・フレームワーク(Cynefin Framework)」です。
1. クネヴィン・フレームワークとは?:問題によって「解き方」を変える
クネヴィン・フレームワークは、デイブ・スノーデン(Dave Snowden)氏らが開発した、複雑な状況を理解し意思決定を行うためのフレームワークです。2007年に『Harvard Business Review』に掲載され、世界的に広く知られるようになりました。
※「Cynefin」の読み方について
ウェールズ語由来の言葉で、「居場所」や「生息地」を意味します。スペルから「サイネフィン」と直読されることもありますが、提唱者のスノーデン氏本人も説明している通り、正確な英語圏での発音は「クネビン(kuh-NEV-in)」または「カネヴィン」となります。
このフレームワークの面白いところは、「優れた問題解決法は何か」を教えるのではなく、「そもそも、自分が今直面しているのはどんな種類の問題なのか?」を最初に問う点にあります。

クネヴィンでは、状況を大きく以下の5つの領域に分類します。
| 領域(ドメイン) | 状況の特徴 | 基本的なプロセス | 対応の要点 |
| ① Clear(自明系) | 因果関係が誰の目にも明らかな領域 | 察知(Sense) → 分類(Categorize) → 対応(Respond) | 既定のルールやマニュアル(ベストプラクティス)を適用する。 |
| ② Complicated(煩雑系) | 専門的な分析や調査によって答えが出る領域 | 察知(Sense) → 分析(Analyze) → 対応(Respond) | 専門家の知見を活用し、多角的に分析・選択(グッドプラクティス)する。 |
| ③ Complex(複合系) | 変数が多く、事前に結果を予測できない領域 | 実験(Probe) → 察知(Sense) → 対応(Respond) | 小さな実験を繰り返し、結果を見ながら柔軟に調整する(創発的プラクティス)。 |
| ④ Chaotic(混沌系) | 秩序がなく、急を要する極限状態・危機領域 | 行動(Act) → 察知(Sense) → 対応(Respond) | 分析より先に応急処置(出血を止める行動)をとり、一定の秩序を取り戻す。 |
| ⑤ Disorder(無秩序) | どの領域に属しているか判断できていない状態 | 分割と分類 | 放置すると無意識に自分の得意パターンを押し付けて失敗する。最優先で領域分けを行う。 |
2. 4つの領域と「問題への向き合い方」
① Clear――答えが決まっている世界
原因と結果の関係が明確な領域です(例:赤信号で止まる、申告期限を守る、定型の書類を出す)。
この領域では、毎回ゼロから哲学的に考える必要はありません。「料理のレシピ」のように、確立された手順に従うことが正解となります。
「状況を捉え(Sense)、分類し(Categorize)、対応する(Respond)」という、パターンに応じた条件反射回路が有効な世界です。
② Complicated――専門家に聞けば分かる世界
Clearとの違いは、「答えはあるけれど、簡単には分からない」点です(例:複雑な税務、高度な医療診断、専門的な法律問題)。
専門家が調査・分析すれば原因を突き止められます。ここでは「把握し(Sense)、分析し(Analyze)、対応する(Respond)」が正解です。
私たち弁護士の仕事の中にも、この領域に属するもの(判例検索、契約書分析、調査活動、証拠の検討など)がありますが、示談交渉や裁判等の業務はつぎの複合系の領域に属することになります。
③ Complex――やってみないと分からない世界(★ここが最も重要)
クネヴィン・フレームワークの真骨頂は、この「Complex(複雑・複合系)」です。
日本語では「Complicated」も「Complex」も「複雑」と訳されがちですが、意味合いは根底から異なります。
- Complicated: 糸がもつれているだけ。「答えはある。まだ分かっていないだけ」。
- Complex: 何が起きるか事前に分からない。「事前に答えが存在しない」。後から振り返ってはじめて意味がわかる。
人間関係、夫婦生活、子育て、組織、市場、そして人生そのもの。これらは無数の要素が時間とともに変動しながら相互作用するため、因果関係は後になってからしか分かりません。
この領域で「完璧な正解を見つけてから動こう」とすると、永遠に行動できなくなります。
ここでは「小さく試す(Probe)→ 状態を見る(Sense)→ 対応する(Respond)」というスタンスが不可欠です。
そこで、この領域でのポイントは次のようになります。
対応の要点:
- 最初から完璧な計画を立てず、小さな実験(プロトタイプ)を繰り返す。
- 結果を観察・フィードバックしながら方向性を調整する(アジャイル的手法)。
- 多様な視点を取り入れ、創発的プラクティス(新しく生まれる手法)を見出す
人生の重要な問題ほど「Complex」である
人生の転機ほど、私たちは「絶対に失敗しない正解」を求めがちです。
「転職すべきか? 独立すべきか? 結婚すべきか?」
しかし、どれほど優秀な専門家やAIにどれほどの回数、時間をかけて分析させても、未来を完璧に予測することは不可能です。
だからこそ、予測精度を上げようと悩み抜くよりも、「失敗してもやり直せる範囲(safe-to-fail)で、小さく試してみる」ことが真の合理性となります。副業してみる、業界の人に会ってみる、週末に体験してみる――その反応を見て、次の選択を行えばよいのです。
これは、ナシーム・ニコラス・タレブさんの著書『反脆弱性』に出てくる「バーベル戦略」とも深く共鳴します。未来を当てることに全精力を投じるのではなく、「予測が外れても致命傷を負わない構造(反脆弱性)」を作りつつ大博打を打つこと。完璧な計画よりも「試して、学んで、修正する」プロセス自体が、不確実な人生を生き抜く強さになります。
複合系では、「失敗しない実験」は正解ではなく失敗である
複合系では、事前に正解はわかりません。そのため、ここでの「実験(Probe)」は、成功させることよりも、「何が機能しないか」を発見することに価値があります。ですので、小さく試行して失敗してフィードバックを得ることはその局面では必要で有意義なことです。
現代日本社会の「正解を奉り失敗を忌避する文化」が、この複合系で必要な創発(実験を通じた発見)」が起こるのを困難にします。クネヴィン・フレームワークによって、「失敗」を悪として恐れる対象にするのではなく、次のステップのためのデータ収集ツールとして再定義することができ、大多数の人が「正解信仰」に毒されて失敗を恐れて身動きが取れないのを尻目に、どんどん小さく失敗を重ねて最後に総取りするということが可能になるわけです。
④ Chaotic――考える前に動かなければならない世界
火災、大事故、重大な事件、資金流出といった緊急事態(カオス)です。
この領域で「まず原因分析会議を開こう」などと言っていては手遅れになります。
「行動し(Act)、状況を把握し(Sense)、対応する(Respond)」の順で、まずは出血を止め、秩序を回復させることが最優先となります。
対応の要点:
- 分析や実験の前に、まず被害拡大を止めるための即時行動(出血を止める)をとる。
- 状況に素早く一定の秩序を取り戻してから、事態の把握に移る。
- 既存の先例に縛られない新奇のプラクティス(全く新しい対処法)が求められる。
⑤ 中央:混乱・無秩序(Disorder / Aporia)
スノーデンさんは、以上の4つの領域を「Domains of Order / Unorder」の二つに大きく分類し、「正解」のある自明系と煩雑系を合わせた「秩序域」、「正解」のない複合系と混沌系を合わせた「非秩序域」に分けます。そして、そのいずれでもない「無秩序域」が4領域の中心に十字に配置されます。
Every extension of knowledge arises from making the conscious the unconscious.
どのような知識の拡大も、無意識を意識化することから生じる。

人が問題に直面した当初、よほどシンプルな自明系は別として、本質が把握できないため、この中央の無秩序域に配置されるところから取り組みがスタートすることがほとんどです。
- 状況: どの領域に属しているかが判断できていない、あるいは複数の領域が混ざり合っている状態。
- 対応の要点:
- 多くの組織や個人は、無意識に自分が得意な領域の行動パターン(例:分析好きなら繁雑系のやり方、規律重視なら自明系のやり方)を当てはめようとして失敗する。
- まずは、災害現場での救急医のトリアージのように、最優先の目的は無秩序なカオスの状態から「問題を分割し、上記の4領域のいずれかに振り分けること」です。
興味を持たれた方は、ぜひつぎの田村洋一さんの著作と翻訳の書籍をお読みください。

3. 専門家が陥る意外な罠と「法律問題のリアル」
さて、法律実務においても、この4つの領域と無秩序が常に存在します。
- Clear: 期限や必要書類が決まっている定型手続き
- Complicated: 法律関係や証拠の専門的分析(医療事故の調査業務など)
- Complex: 人間関係や相手の感情によって状況が二転三転する交渉・訴訟(離婚、相続、企業同族争いなど)
- Chaotic: 突然の逮捕・勾留、DVによる身体的危機、会社資金の不正流出
ここで注意すべきは、専門家ほど「Complex(やってみないと分からない「正解のない問題」)」を「Complicated(分析すれば解ける「正解のある問題」)」として扱いたがるという罠です。上記のように、人は無意識に、自分の得意な分野に引き付けて物事を理解しようとするものです。アメリカの心理学者アブラハム・マズローの「金槌を持つ人にはすべての物事が釘に見える」という言葉の通りです。混乱の中を行動力でバリバリ解決するのが得意な人は、自明系でも煩雑系でもお構いなしに馬力で解決しようとしてしまいますが、実はわざわざぶつかって試行錯誤(車輪の再発明)しなくても、冷静に調べたり、専門家に頼めば、すぐに解決できるわけです。
そして、専門家はといえば、「分析して解を出す」訓練を積んでいるがゆえに、すべての問題事象が分析すれば正解が出せるという錯覚に陥ってしまいがちになります。目の前の問題と類似する過去の裁判例を分析すれば、先を読んで見通せるように錯覚してしまいがちなわけです。
しかし、法的評価(Complicated)では正解が出ても、人間関係(Complex)に正解はありません。実際の法的紛争を動かすのは個々の個性を持った当事者、人間です。
正論を突きつけた結果、相手が引き下がることもあれば、逆に意地になって紛争が泥沼化することもあります。
「裁判に勝つ方法」と「当事者が心の平穏を取り戻す方法」は、必ずしも一致しないのです。
4. 「一霊四魂」とクネヴィンの不思議な類似と相乗効果
さて、ここまでは一般的なクネヴィン・フレームワークの概説でした。
ここからは、THERE IS NO SPOONで内面世界の探求を続ける私独自の観点からの解説、欧米発の外的事象の分類ツールであるクネヴィン・フレームワークを日本の神道由来の心の内面の分析手法と関連づける面白い発想に入っていきます。
日本神道には、心の構造を表す「一霊四魂(いちれいしこん)」という概念があります(Wikipediaの解説のとおり、実際には、古神道の時代からというよりも幕末に整理された考え方のようですが、人の内面を分析的かつ多元的に整理して捉えるうえで有益な概念であることは間違いないでしょう)。
これは、人間の霊魂は、中心にある1つの「直霊(なおひ)」と、4つの個性である「荒魂(あらみたま)・和魂(にぎみたま)・幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)」から構成されているという考え方です。
| 神道の概念 | 司る働き | クネヴィンの領域 | 乱れた状態(負の側面) |
| 荒魂(あらみたま) | 勇気・行動力・進取 | Chaotic(混沌系) | 暴走・破壊・争い(争魂) |
| 和魂(にぎみたま) | 調和・親愛・協調 | Clear(自明系) | 主体性の喪失・八方美人(悪魂) |
| 幸魂(さきみたま) | 愛情・育成・優しさ | Complicated(煩雑系) | 過保護・過度の執着(逆魂) |
| 奇魂(くしみたま) | 知性・分析・技術 | Complex(複合系) | 理屈っぽい・冷酷・頭の硬さ(狂魂) |
クネヴィン・フレームワークは「外的な問題事象の分類」ですが、この一霊四魂の構造と見事に対応し、反転・対比させることができます。人間の働きかけによって外的に生じる問題事象と、その働きかけの元となる人間の内面の精神作用とが関連しないはずはなく、本質的な真理は、洋の東西を問わず、共鳴しあうことを表しているように思います。
各領域と四魂の対応と理由
1. 自明系(Clear) ── 悪魂(和魂に戻ることが必要)
- 領域の性質: ルールやマニュアルが明確で、ベストプラクティスを正しく実行・維持する状態。
- 病んだ魂の働き:自分本位の事なかれ主義や主体性の喪失。
- 本来の魂の働き: 親和、調和、規律、平和、秩序の維持。
- 照応の理由: 既知のパターンを確実に処理する「明白」領域では、全体の秩序やルールを守り、スムーズかつ平和に業務や日常を運用する「和魂」の調和力・安定維持力が最も機能します。
2. 繁雑系(Complicated) ── 逆魂(幸魂に戻ることが必要)
- 領域の性質: 専門知識や論理分析を用いて、複数の選択肢から最良・最適な解決策を設計する状態。
- 病んだ魂の働き:他者を思いやる心が歪んで、偏愛や溺愛、依存、恨みの感情に変質し、差別や反体制的な反逆志向となる。
- 本来の魂の働き: 愛育、分析、構築、繁栄、関係性、体系の構築。
- 照応の理由: 専門家による分析(Analyze)や構造化が必要な「繁雑」領域では、要素を理解し、関係性を最適化して成果(実り)をもたらす「幸魂」の細やかな計画力と育みの知恵が合致集約します。
3. 複合系(Complex) ── 狂魂(奇魂に戻ることが必要)
- 領域の性質: 事前予測ができず、観察とプロトタイプ(小さな実験)を繰り返しながらパターンを見出す状態。
- 病んだ魂の働き:傲慢や現実無視の地に足のつかない理想の狂信となる。
- 本来の魂の働き: 叡智、観察、探求、インスピレーション、創発。
- 照応の理由: 因果関係が後からしか見えない「複雑」領域では、仮説実験(Probe)を通じて予期せぬ発見を引き出す「奇魂」の探求心やヒラメキ、物事の奥底を洞察する知恵が必要とされます。
4. 混沌系(Chaotic) ── 争魂(荒魂に戻ることが必要)
- 領域の性質: 秩序がなく、火事や危機のように即座の介入と打開が必要な状態。
- 病んだ魂の働き:人の心にある「勇気や活動する力(荒魂など)」が自己中心的な方向に傾き、他者との争いや対立を生み出してしまう心の働き・状態
- 本来の魂の働き: 勇猛、果断、突破力、動的エネルギー。
- 照応の理由: 分析や実験をしている猶予がない「混沌」領域では、躊躇なく行動(Act)を起こし、現場に介入して事態を打開する「荒魂」の持つ力強い勇気と即断力が不可欠となります。
中央(無秩序・混乱)と 曲霊 直霊に戻ることが必要
- 領域の性質: 自分がどの領域にいるか分かっていない状態(Disorder)。
- 魂の働き: 一霊四魂の根本であり、全体を統括・曲直を正す本質的な意識。
- 照応の理由: クネヴィンにおいて無秩序から脱する第一歩は「今どの領域に置かれているかを正しく判断すること」です。自分を客観視し、四魂のどの働きを出すべきかを正しくコントロールする「直霊(なおひ)」の審神者(さにわ)的な見極めが、この中央の無秩序状態に対応します。
問題が乱れて暴走した状態(曲霊)を、中心にある「直霊(良心・司令塔)」が正しく統括し、各部門(四魂)を調和させることで、本来の健やかな状態を取り戻していく――。
問題の性質を見極め、適切なアプローチを選ぶクネヴィンの思考法は、まさに自分の心の中の「直霊(司令塔)」を働かせるプロセスそのものと言えます。
まとめ
トラブルに直面すると、人は混沌の中へと突き落とされてその渦に巻き込まれてしまいます。しかし、クネヴィン・フレームワークの観点からすれば、その人が置かれている状況は、主観的には混沌ではあっても、実は、混沌系ではなく、煩雑系の問題でしかなく、専門家に一度相談するだけですぐに解決してしまうということもあるということになります。
そして、人は自分の得意領域に引きつけて問題を解釈しがちなので、人によっては、どの領域の問題がやってきても、すべて正解のある煩雑系として対応しようとしたり、すべて行動による試行錯誤で力技で解決しようとして、適切な系に分類して対処すれば解決できたことなのに、より深刻な系の問題へと発展させてしまうということも起こりがちです。
つまり、一見、混沌にしか見えない無秩序ドメインに置かれたスタートラインにいる人にとって、初動がきわめて重要であるということです。
クネヴィンの最大の意義は、この初動段階ですべてを混沌として受け止めたり自分勝手な系の決めつけをしたりするのを「無秩序」ドメインを置くことによって割り振り、事態の変動に即して、つねに系の変化を見極めて必要な対処を切り替えられるようにする点にあるといってよいでしょう。
おわりに:PEACE IS A CHOICE(平和は選択できる)
人生において、問題がゼロになることはありません。未来を100%予測することも不可能です。
しかし、「いま目の前にある問題は、どの種類のものか?」を見極め、ふさわしい向き合い方を選択することは誰にでもできます。
- 答えがあるなら、調べればいい(Clear)
- 専門知識が必要なら、頼ればいい(Complicated)
- 未来が分からないなら、小さく試せばいい(Complex)
- 混乱しているなら、まず安全を確保すればいい(Chaotic)
最初からすべての正解を知っている必要はありません。正解が分からない自分を責める必要もありません。世界はそもそも複雑なものだからです。
たいよう法律事務所の伴走型サポート
たいよう法律事務所では、顧問契約を通じて、日常からかかりつけ医のような「人生の伴走者」でありたいと考えています。
平常時から関与することで、人間関係や組織の状態を把握して、本来「Complex(複合)」や「Chaotic(混沌)」に発展しがちなトラブルを、より未然に対処しやすい「Clear(自明)」や「Complicated(煩雑)」の領域へシフトさせるお手伝いが可能です。
また、万が一、複合系や混沌系のトラブルというべき事態が生じた場合でも、日頃から背景を理解しているからこそ、迅速に出血を止め、最速で平穏な日常へ戻るための最適なサポートを提供することが可能です。
正解を知ってから歩き始めるのではなく、歩きながら道を見つけていく。
そんな不確実な時代をしなやかに生きる皆さまを、たいよう法律事務所は全力でバックアップいたします。
















