Everyone we meet will either be our crucifier or our savior, depending on what we choose to be to them.
私たちの出会うすべての人たちは、私たちが彼らにどう対応するかという選択次第で、私たちを磔にする処刑者にもなれば、私たちを救う救済者にもなります。

Marianne Williamson
マリアン・ウィリアムソン
Love consists in desiring to give what is our own to another and feeling his delight as our own.
愛とは、自分が持つものを誰かに捧げたいと望み、その人の喜びを自分のものとして感じることだ。

Emanuel Swedenborg
エマニュエル・スウェーデンボルグ(エマヌエル・スヴェーデンボリ)
・豊かさマインド──Win-Winに不可欠な人格の三番目の特徴は、豊かさマインドというものである。この世にはすべての人に行きわたるだけのものがたっぷりあるという考え方だ。ほとんどの人は、欠乏マインドに深く脚本づけられている。パイはたった一個しかなく、誰かがひと切れ食べてしまったら、自分の取り分が減ってしまうと考える。物事はすべて限りがあると思い、人生をゼロサム・ゲームととらえる考え方である。欠乏マインドのままでは、手柄を独り占めし、名誉や評判、権力もしくは、利益をサポートしてくれた人とさえ分かち合おうとしない。だから、自分以外の人間の成功は喜べない。同僚や親しい友人、家族の成功さえも素直に祝福できない。誰かが褒められたり、思いがけない利益を得たり、大きな成果を出したりすると、まるで自分が損をしたような気分になるのだ。
他者の成功に口では「おめでとう」と言いながら、胸の内は嫉妬に食い尽くされている。周りの人間と比較して自分はどうなのかといつも気にしているから、程度の差こそあれ、人の成功は自分の失敗を意味するのである。成績表に「A」がつく生徒はたくさんいても、「一番」になれるのは一人しかいないと考えてしまうのだ。欠乏マインドの人にとって、勝つことは、人を負かすことに他ならない。
欠乏マインドに染まっている人はえてして、他人の不幸をひそかに望んでいる。もちろん、そんなにひどい不幸を望んでいるわけではないが、自分に影響が及ばない範囲で不幸に遭えばいいと思っている。他人が成功せずにいてくれれば、それでいいのである。彼らは、いつも誰かと自分を比較し、競争している。自尊心を持ちたいがために、モノを所有したり、他者を抑えつけたりすることにひたすら労力を費やしているのである。こういう人は、他人を自分の思いどおりにしたがる。自分のクローンをつくりたがり、イエスマンやご機嫌とりで自分の周りを固め、自分よりも強い人間は遠ざける。欠乏マインドの人が、相互を補完するチームの一員になることは難しい。彼らは自分との違いを不服従や反抗ととらえてしまうからだ。
それに対して豊かさマインドは、内面の奥深くにある自尊心と心の安定から湧き出るものである。この世にはすべてのものが全員に行きわたってもなお余りあるほどたっぷりとある、と考えるパラダイムである。だから、名誉も評判も、利益も、何かを決定するプロセスも、人と分かち合うことができる。こうして可能性、選択、創造力の扉が開かれるのだ。
豊かさマインドを持つには、まずは第1、第2、第3の習慣を身につけ、個人としての喜び、満足感、充足感を得ていなければならない。それがあって初めて、他者の個性、望み、主体性を認めることができる。前向きに人と接することが自分の成長にとって無限の可能性をもたらすとわかっているから、それまで考えてもいなかった新しい第3の案を生み出せるのだ。公的成功は、他者を打ち負かして手にする勝利のことではない。関わった全員のためになる結果に達するように効果的な人間関係を築くこと、それが公的成功である。協力し、コミュニケーションをとりながら、一緒にことを成し遂げることである。各自がばらばらにやっていたらできないことを、力を合わせて成し遂げる関係を築くことが公的成功なのだ。公的成功とはつまり、豊かさマインドのパラダイムから自然と生まれる結果なのである。
「誠実」「成熟」「豊かさマインド」を高いレベルで備えた人格は、あらゆる人間関係において、個性主義のテクニックにはとうてい及ばない本物の力を発揮する。Win-Loseタイプの人がWin-Winの人格を備えようとするときに、私が見出したことの一つは、Win-Winタイプの人と接してモデルやメンターにするのが一番効果的だということである。深くWin-Loseのパラダイムに脚本づけられた人々が、同じようなWin-Loseタイプの人とばかり付き合っていたら、Win-Winの態度を実際に見て学ぶ機会はそうない。それゆえ、私は文学を読むことを勧めたい。たとえば、アンワル・サダトの自伝『エジプトの夜明けを』を読んだり、映画『炎のランナー』や演劇『レ・ミゼラブル』を観たりすることも、Win-Winを知るきっかけになるだろう。
しかし覚えておいてほしい。誰でも自分の内面の奥深くを見つめれば、これまで従っていた脚本、これまでに身につけた態度や行動を乗り越え、他のすべての原則と同じように、Win-Winの本当の価値を自分の生き方で証明できるのである。

Stephen R. Covey
スティーブン・R.コヴィー(「7つの習慣」第4の習慣/Win-Winを考える/Win-Winの5つの側面より)

1.Win-Winとは何か:テクニックではなく「哲学」
「Win-Win」という言葉は、現代社会でよく耳にするようになりましたが、その本質を正しく理解している人は意外に多くありません。コヴィー博士は、Win-Winとは単なる交渉のテクニックではなく、「すべての人間関係において、必ずお互いの利益になる結果を見つけようとする考え方と姿勢」であると定義しています。
私たちは、無意識のうちに「人生は早い者勝ちの競争の場である」というパラダイム(地図)を持ってしまいがちです。しかし、Win-Winのパラダイムは、人生を競争ではなく「協力の場」と捉えます。 誰かが勝つために誰かが犠牲になる必要はなく、「全員が満足できる方法は十分にある」と信じることから、すべての協力関係は始まります。
2.人間関係の6つのパラダイム
博士は、人間関係における相互作用のあり方を、6つのパラダイムに分類して説明しています。
- Win-Win(自分も勝ち、相手も勝つ): お互いの利益になり、納得できる結果を目指します。「第3の案(あなたの案でも私の案でもない、もっと良い方法)」の存在を信じる姿勢です。
- Win-Lose(自分が勝ち、相手は負ける): 自分の地位や権力を使って、自分のやり方を押し通す権威主義的なスタイルです。 多くの人が、親との比較や学校の偏差値教育、競争的なスポーツなどを通じて、この「勝ち負け」の脚本を深く刷り込まれています。
- Lose-Win(自分が負けて、相手が勝つ): 自分を犠牲にして相手をなだめ、「いい人」と思われたいと願う依存的なスタイルです。 自分の信念を言う勇気がなく、感情を胸の奥底に押し殺してしまいます。この抑圧された感情は、後に心身症や爆発的な怒りとなって表れることがあります。
- Lose-Lose(自分も負けて、相手も負ける): 「自分を犠牲にしてでも、相手に借りを返してやる」という復讐心のパラダイムです。 離婚訴訟などで、相手を憎むあまり、自分の財産を二束三文で売り払ってでも相手の取り分を減らそうとするような、悲劇的な泥沼状態を指します。
- Win(自分が勝つ): 他人の勝ち負けには関心がなく、ただ「自分の欲しいものを手に入れる」ことだけを考える自己中心的なアプローチです。
- Win-Win or No Deal(Win-Winが無理なら取引しない): お互いに満足できる解決策が見つからなければ、「合意しないことに合意する」という最も自由な選択肢です。
3.最強の選択肢:「Win-Win or No Deal」の勇気
実社会において、Win-Winを目指してもどうしても折り合いがつかないことがあります。そのような場面で有効なのが、「No Deal(取引しない)」という選択肢をあらかじめ持っておくことです。
「お互いに満足できる結論以外は出さない。それが無理なら、今回はなかったことにしましょう」と言える余裕があれば、相手を操ったり、無理に説得したりする必要がなくなります。
あるソフトウェア会社の社長は、多額の契約を結んだ後に、新しい頭取がそのシステムに不満を持っていることを知りました。社長はあえて「満足いただけないなら白紙に戻しましょう」と提案し、一時的には8万ドルの契約を失いましたが、その誠実さが信頼を生み、後に24万ドルの新しい契約へとつながりました。 「No Deal」というオプションは、家族関係や新しいビジネスの立ち上げにおいて、精神的に大きな自由と誠実さをもたらしてくれます。
たいよう法律事務所でも、ご依頼を受けるに際して、この観点を指針としています。
4.Win-Winを支える「人格」の三本柱
Win-Winは、表面的な振る舞いだけでは実現できません。その土台には、以下の3つの特徴を備えた「人格」が必要です。
- 誠実: 自分の内面にある価値観を明確にし、自分自身にした約束を守り続ける意志のことです。自分を裏切っている人間に、他人とのWin-Winは築けません。
- 成熟: 「勇気」と「思いやり」のバランスがとれている状態です。相手の感情に配慮しながら(思いやり)、自分の信念を堂々と言える(勇気)ことこそが、真の成熟です。
- 豊かさマインド: 「この世には、すべての人に行き渡るだけのものがたっぷりある」という考え方です。 反対に、他人の成功を「自分の取り分が減った」と感じてしまう不健康な心の状態を「欠乏マインド」と呼びます。豊かさマインドを持つことで初めて、名誉や利益を人と分かち合うことができるようになります。
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5.信頼関係とWin-Win実行協定:Win-Winを仕組み化する
人格という土台の上に築かれるのが、「人間関係(信頼)」です。 信頼口座の残高がたっぷりあれば、余計な駆け引きをせずに、問題の解決そのものに集中できます。
この信頼を具体的な形にしたものが、「Win-Win実行協定」です。 上司が部下を細かく見張る(Win-Lose)のではなく、以下の5つの要素を明確に共有することで、本人が自分自身を管理(セルフ・マネジメント)できるようにします。
- 望む成果: いつまでに、何を達成するか。
- ガイドライン: 守るべき基準やルール。
- リソース: 使える人員、資金、技術。
- アカウンタビリティ(報告義務): どのように評価し、いつ報告するか。
- 評価の結果: 達成した場合(あるいはしなかった場合)にどうなるか。
この協定があれば、管理職は「見張り役」から「アシスタント」へと役割を変えることができ、個人の潜在能力が最大限に引き出されます。
6.システムがWin-Winを阻んでいないか?
どれほど個人の人格が素晴らしくても、組織の「システム(評価制度)」がWin-Lose(競争)を煽るものであれば、Win-Winは定着しません。 例えば、社員に「協力しろ」と言いながら、成績トップの者だけに豪華な旅行をプレゼントするような競争システムは、協力の精神を破壊します。
育ってほしい花(協力的な行動)には、それに見合った水(報酬システム)をやらなければなりません。 社内での無意味な競争を排除し、協力することにインセンティブを与える仕組みを作ることが、経営者やリーダーの重要な役割です。
結びに:弁護士がWin-Winを追求する理由
法律の世界は、もともと「敵対」という概念に基づいたWin-Loseのパラダイムが根強い分野です。 しかし、裁判で白黒はっきりつけても、双方が傷つき、将来にわたる関係が完全に断たれてしまうケースを私は多く見てきました。
真のリーダーシップとは、対立する当事者間に「第3の案」を見出す努力を怠らないことです。法律を武器として用いることは社会の秩序を守り、個人的な被害回復を図るために必要ですが、それ自体にシナジー(相乗効果)を生む力はありません。戦いを終わらせる場面では、法律を本来の楽器として用いてシナジーを生み出す観点が大切だと思います。
たいよう法律事務所は、依頼者の皆様が直面している問題を、単なる「勝ち負け」で終わらせるのではなく、お互いの誠実さと尊厳を守り抜くWin-Winの解決へと導くパートナーでありたいと願っています。















