A man may imagine things that are false, but he can only understand things that are true, for if the things be false, the apprehension of them is not understanding.
人は偽りを想像できても、真実しか理解しえない。というのは、もしそれが偽りなら、偽りを真実と捉えることは、理解ではなく誤解だからだ。

Isaac Newton
アイザック・ニュートン
Assume that your worldview is not borne by the public.
自分の世界観は必ずしも世間で当然の常識というわけではないと想定しておくことだ。
More than that: Do not assume that those who think differently are idiots.
自分の世界観を当然視するにとどまらず、自分と異なる考えを持つ人々を「愚か者」だと決めつけるなどもってのほかだ。
Before you distrust them, question your own assumptions.
彼らの良識を疑う前に、自分がどれほど身勝手な思い込みを抱いているか疑ってみるべきだ。

Rolf Dobelli, Stop Reading the News: A Manifesto for a Happier, Calmer and Wiser Life
ロルフ・ドベリ
Listen with the intent to understand, not the intent to reply.
反論するためにではなく、理解するために聴きなさい。

Too often we underestimate the power of a touch, a smile, a kind word, a listening ear, an honest compliment, or the smallest act of caring, all of which have the potential to turn a life around.
私たちは本当に、触れ合いや笑顔を交わすこと、ひとこと優しい言葉をかけたり、相手の言うことに耳を傾けること、心からの褒め言葉を伝えること、あるいは、思いやりをこめたほんのささやかな行い、といった小さな振る舞いの持つ力を過小評価しがちですが、これらすべてが、人生を変える可能性を秘めているのです。

Leo Buscaglia
レオ・ブスカーリア

心に「心理的な空気」を送り込む:第5の習慣「まず理解に徹し、それから理解される」
私たちは起きている時間の多くを、読む、書く、話す、聴くという「コミュニケーション」に費やしています。学校では読み書きや話し方は何年もかけて教わりますが、相手を深く理解するために「聴く」訓練を受けたことがある人は、驚くほど少ないのが現実です。他愛のない日常会話から激しい議論に至るまで、だれかがしゃべっていても、最後まで聞かずに、それに被せてしゃべってしまうということは普通に行われていて、みんなそんなものだと思っています。
この第5の習慣は、そのような対話のスタンスの背後には、実は、双方向のコミュニケーションである対話よりも、一方通行の意思表明である自分語り(本書では「自叙伝的反応」と言います)のスタイルが潜んでいるとして、真の意味でのコミュニケーションに立て直すための原則を示すものです。
この第5の習慣は、効果的な人間関係におけるコミュニケーションの鍵であり、他者に影響を与えたいと願うなら避けては通れない原則です。
1.診断の前に処方箋を出していないか?
例えば、あなたが眼科に行ってお医者さんに「目が見えにくい」と訴えたとします。すると医師が、自分がかけている眼鏡をいきなり外し、「これをかけてごらんなさい。10年も使っている良い眼鏡ですよ」と言って渡してきたら、どう感じるでしょうか。あなたが「余計に見えません」と言っても、「前向きに考えなさい、私はあなたの力になろうとしているのに!」と医師が腹を立てでもしたら、あなたは二度とそのお医者さんを信頼することはできないでしょう。
しかし、私たちは日常生活で、これと同じことを繰り返しています。 子どもが「学校に行きたくない」と言えば、理由も深く聴かずに「お母さんの苦労も考えて。頑張れば楽しくなるわ」と自分の経験談(自叙伝)を押し付け、アドバイスという名の処方箋を出しがちです。コヴィー博士は、プロの医者が処方する前に必ず診断するように、プロの弁護士が陳述書を書く前に事実関係を徹底的に調査、確認するように、正しい判断や解決のためには、まず「理解に徹する」ことが必要不可欠なのだといいます。
2.「共感による傾聴」:5つのリスニング・レベル
コヴィー博士は、ほとんどの人は、相手の話を理解しようとして聴いているのではなく、次に自分が何を話そうか考えながら聴いていると指摘します。だれかと話しているとき、とくに、相手と議論や説得を試みているときを思い出してみてください。思い当たる節があるはずです。
聴く姿勢には以下の5つのレベルがあると言います。
- 無視する: まったく聴かない。
- 聞くふりをする: 「うん、うん」と相槌は打つが、中身は入っていない。
- 選択的に聞く: 自分の興味がある部分だけを耳に入れる。
- 注意して聞く: 言葉に神経を集中して聴く。
- 共感による傾聴: 相手の身になって、相手の目を通し、相手のパラダイムで聴く,。
「共感による傾聴」とは、単なるオウム返しのテクニックではありません。耳だけでなく、目と心を使って、言葉の裏にある本当の意味や感情を察し、読み取り、感じ取ることです。相手をコントロールしようとする動機を捨て、純粋に理解したいという気持ちで聴くとき、初めて魂と魂の交流が始まります。
3.「心理的な空気」:人間にとって第2の欲求
人間にとって、肉体の生存の次に大きな欲求は「心理的な生存」です。それは、他者に理解され、認められ、必要とされ、感謝されたいという欲求です。
あなたが今いる部屋の空気が突然吸い出されたら、本を読むどころではなく、生き延びるために空気を求めるはずです。同じように、人は自分が他者から「理解されていない」と感じているとき、自分の正しさを主張し、身を守ることに必死になります。 そんなとき、私たちが共感して相手の話を聴くとき、私たちは相手に「心理的な空気」を送り込むことができます。相手の満たされない欲求が満たされたとき初めて、相手は防衛的な態度を解き、敵ではないとわかった私たちの影響を受け入れて、足並みをそろえて、問題解決へと向かうことができるのです。
4.私たちが陥りがちな「4つの自叙伝的反応」
相手の話を聴いているとき、私たちは無意識のうちに自分の過去の経験(自叙伝)を投影し、次の4つの反応をしてしまいがちです。
- 評価する: 同意するか、反対するかを決める。
- 探る: 自分の視点から、根掘り葉掘り質問する。
- 助言する: 自分の経験からアドバイスを与える。
- 解釈する: 自分の動機や行動を基にして、相手の動機を説明する。
例えば、息子が「学校なんてくだらない」と言ったとき、父親が「パパも昔はそう思ったが、後で役に立つぞ」と助言したり、「努力が足りないんじゃないか」と評価したりしても、息子は心を閉ざすだけです。息子が本当に言いたいのは、「テストの成績が悪くて、先生から、高校生なのに小学4年生レベルだと言われてショックだった」という深い悩みを聞いてもらって心の傷を癒したかったのかもしれません。まず理解に徹することで、初めて本当の問題が明らかになるのです,。
5.理解されるための「エトス・パトス・ロゴス」
「まず理解に徹する」ことで信頼関係が築けたら、次に「自分を理解してもらう」ステップに進みます。ここで大切なのが、古代ギリシャの哲学である「エトス・パトス・ロゴス」の順番です。
- エトス(Ethos): あなた個人の信頼性。誠実さと能力(信頼口座の残高)。
- パトス(Pathos): 共感。相手の気持ちに寄り添っていること。
- ロゴス(Logos): 論理。自分の考えを筋道立てて説明すること。
多くの人は、いきなり「ロゴス(理屈)」に飛びついて、相手を説得しようとしますが、エトスとパトスという土台がなければ、相手の心は動きません。まず相手を理解した上で、相手の懸念事項を自分から先に説明し、それから自分の論理を提示する。このアプローチによって、プレゼンテーションの成功率は格段に上がります。
結びに:一対一の投資が大きな配当を生む
第5の習慣は、私たちの「影響の輪」の中心にある習慣です。相手を変えることはできなくても、自分が相手を理解する努力をすることは、今すぐにでも始められます,。
共感して聴くことは、最初は時間がかかるように感じるかもしれません。しかし、後になって誤解を解いたり、やり直したりする膨大な労力に比べれば、最も効率的な時間の使い方です,。 家庭でもビジネスでも、大切な人と一対一で向き合い、心理的な空気を送り合う時間を持ちましょう。お互いが本当に深く理解し合えたとき、そこには対立ではなく、全く新しい解決策(第3の案)を生み出す「シナジー」への道が開かれます,。
たいよう法律事務所は、依頼者の皆さまが抱える「本当の問題」を正確に診断し、皆さまの人生に最善の解決という処方箋をお出しできるよう、まず深く耳を傾けることをお約束いたします。
















